【日本は世界有数の夜更かし大国だ!】南 詳憲著
〜子育て真っ最中の親たちへ〜
★赤ちゃんが寝る時間の国際比較では22時以降に寝る赤ちゃんの割合が5割近い。これはとても異常なことです・・・。
★子供の睡眠研究調査によると、日本の乳幼児(3歳児以下)の総睡眠時間は11時間37分。17カ国・地域中で最も短い状態です。
乳幼児期に必要な睡眠は12~14時間。赤ちゃんが睡眠不足になると、脳の海馬の成長に深刻な影響を及ぼします。
さらに乳幼児期の遅寝の生活習慣は、小中高へと受け継がれ常態化しやすくなります。
★最近の調査では、悪い睡眠習慣が学習意欲や学力低下、不登校やひきこもりの要因になることが分かってきました。
乳幼児の睡眠不足がその後の人生に大きく影響しています!
★【赤ちゃんの睡眠障害の背景として】
親の価値観の変化とともに、共働きの子育て世帯の増加が指摘されています。
国民生活基礎調査によると、母親の3人に1人は働いています。
お母さん働き方にあわせて保育園も長時間が当たり前になりました。
★睡眠時間が少ないなどの幼児期の睡眠障害は、『体の成長』を妨げてしまいます。
幼児期の睡眠障害は、『脳の発達にも悪影響』を及ぼし、発話の遅れや、キレやすいなどの情緒不安定を引き起こすことが相当多く報告されています。
★0歳児の3割以上が12時間未満の睡眠状態で、全体の25%が10時間未満しか眠っていないという恐ろしい結果が出ています。
4人に1人の幼児が大人とあまり変わらない、睡眠時間しかとれていない実態が浮き彫りになっています。
★この問題が深刻なのは、親が子供の睡眠不足に全く気付いていないことです
それどころか、9割の保護者が、『自分の子どもの睡眠時間は十分にとれている』と回答している調査結果が出ています。
深夜に街中で見かける乳幼児や幼い子供さんが、親に連れまわされている状況がこれから
更に子供の生活環境を悪化させています。
★カナダ・モントリオール大学の研究チームが子どもたちを対象に行った研究で、睡眠不足などで睡眠の質が低下すると、IQ知能テストの成績が著しく低くなる傾向が見られる結果を発表しています。、ということが分かりました。
★正常な睡眠とは、体の代謝がペースダウンし、浅い眠りと深い眠りを規則的に繰り返している状態です。
浅い眠りは“レム睡眠”と呼ばれます。“レム”とは“眼球が動いている状態”という意味の英語の頭文字を取った言葉で、文字通りまぶたの下で眼球が細かく動いています。
Rapid Eye Movement.
このレム睡眠のあいだは、体は眠っていても脳は活動していて、記憶の整理と定着の作業をしています。
一方、深い眠りは“ノンレム睡眠”と呼ばれ、体だけでなく脳も休んでいる状態です。
脳が活動しているレム睡眠のあいだ、脳波には“睡眠スピンドル”と呼ばれる特殊な波形が見られます。
質のよい睡眠ができていると、このレム睡眠とノンレム睡眠が規則正しく訪れ、安定した睡眠スピンドルの波長が確認できます。
睡眠中この睡眠スピンドルの波形が多く観察されるほど、子どもたちの知能テストの成績がよいことが証明されたのです。
この結果について、モントリオール大学の睡眠の専門家で、今回の調査を指揮したロジャー・ゴッドバウト教授は認識能力に睡眠が大きな役割を果たしているということを証明しています。なかでも、成長の過程にいる子どもや若者にとっては、「睡眠不足は脳の発達にとくに大きな影響を与える深刻な問題なのです」
★ゴッドバウト教授によると、カナダでは子どもの10~25%、自閉症児の45~85%が睡眠に問題を抱えていることも明らかにしています。
★結論『寝る子は育つ』もちろん背も伸びます。