【お母さんへの手紙】
お母さん、私を産んでくれてありがとう。
あんなに痛くて辛い思いをしたのに、私を見た瞬間、満面の笑みで「わぁっ女の子!嬉しい!」と言ってくれたね。
私が夜中に泣いてお母さんが眠れなくても、いつも私を優しく包んでくれた。
私が病気になりにくいようにって母乳で育て、いつどんな時も私がお腹をすかせればすぐにおっぱいをくれたね。
夏は自分が真っ黒に日焼けしても私をプールに連れていき、冬は寒い時に自分の上着を脱いで私に着せてくれたね。
私が幼稚園に行きたくなくて、二人乗り自転車のうしろで暴れて転んだ時、お母さんはすぐに私を抱き上げ「大丈夫⁈痛いとこない⁉️
」って。
全く怒らなかった。
私は無傷で、お母さんはスボンが破れて手足をすりむいていたのにね。
私が学校で悪口を言われたと泣いて帰った時
「お母さんだけはあなたの味方だから」
と私を抱きしめ、
高校三年間は毎日手作り弁当、
お昼休みにお弁当箱のフタを開けるのが楽しみだった。
私が社会に出て、毎日遅くまで遊び回ってた頃
怒る父親とは反対に
「若いうちに好きなことをやれば良い。会社や他人に迷惑さえかけなければ自己責任で」
と見守る姿勢を貫き通した。
そして私が結婚する時には
自分が一生懸命働いて貯めたお金を何の惜しげもなく私に持たせ
「あなたの結婚資金はあなたが赤ちゃんの時から積み立ててきたし、
あなたが幸せなことがお母さんも幸せ。
何か困ったときに使いなさい」と言った。
それから私に赤ちゃんが産まれた。
里帰りした私と赤ちゃんを優しく迎え入れ、私が夜中に授乳すると寒いから、とわざわざ新しい暖房器具を用意し、
赤ちゃんの肩が寒そうだからとベストを編んでくれたり、
朝は私よりも早く起き、
夜は私より遅くまで起きていた。
お母さん
私が産まれてから今日までお母さんが私にしてくれたことは、当たり前で、だれからも何の評価もなく、お母さん自身も当然のことと思ってしてきたことばかりかもしれない。
でもね、私はお母さん自身がそのことを
「母親として当然のことをしてきただけ」
と言えることが1番スゴイことだなって思うの。
こうして私も今お母さんになって、やっとお母さんのすごさがわかったの。
だからね、声を大にして言うよ。
私のお母さん!
私のことをこんなにも愛し、大切にしてくれてありがとう。
それから、今度は世界中のお母さんへ。
お母さんがしてること、今は誰も褒めてくれないかもしれない。
それどころか、一生懸命作ったご飯、5才の娘に「何かマズイ」って言われたり、2才の息子にお皿のおかずを投げ捨てられたりね。
それでそれを黙って拾うお母さんに、お父さんが「子供の好きなものにしたほうが良いんじゃない?」ってね。
簡単に言うけど、
だって、栄養バランスとか考えてるからね。
でもね!
お母さんが家族に注ぐ素晴らしい愛情は、
毎日毎日家族の心に少しずつ少しずつ、
目立たないけど、
まるで雨のしずくのように注がれて、
いつかお母さんがおばあちゃんになる頃、
きっといっぱい色んな形でかえってくるよ。
しずくがバケツいっぱいになったら外に溢れるようにね!
だからまだ今は家族の心のバケツに愛情を貯める時。
今は誰も褒めてくれなくても
ちゃんと伝わってるよ。
今は誰も認めてくれなくても
ちゃんと届いてるよ。
だからお母さんは今のお母さんのままでいい。
十分頑張ってるんだから。
誰よりも家族のこと愛してるんだから。
…ぽちゃんっ、ぽちゃんっ、ぽちゃんっ…
お母さん
いつもありがとう